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アマチュア落語家の小竜治です。
以前、私が通っている落語教室の紹介記事を書きました。
今回は、私が初めて落語に挑戦したときに講師からいただいたアドバイスを公開しながら、落語教室の稽古内容をご紹介します。
落語教室で落語をはじめようと考えてる方、迷ってる方の参考になれば幸いです。
落語教室での稽古の進め方
私が通っている「なまらく落語教室」では、6回の稽古で1席を覚えて、最後に発表会があります。
発表会までの稽古の回数は限られていますので、毎回、ちゃんと自主練をしてから稽古会に参加する必要があります。
稽古会では、講師や他の受講生の前でネタをやり、それに対して講師からフィードバックをもらう、という流れです。
稽古にかかる時間は、
- ネタ時間:15分
- 講師からのフィードバック:15分
の計30分ぐらいですかね。
稽古をつけていただいている落語家さん
私が通っているのは、立川談修師匠のクラスです。
2014年4月からお世話になってます。
途中、別の講師のクラスに通っていた時期もありますが、けっこう長い付き合いになりました。
談修師匠は毎回、フィードバックを紙にメモして渡してくださるので、あとで振り返りやすくて助かります。
初めてのネタ「道灌」の稽古内容を公開
私が1席目に選んだネタは、柳家や立川流で師匠から最初に稽古をつけてもらうネタの「道灌」でした。
「道灌」の特徴ですが、
- はっつぁん、隠居さんのベタな物語
- 登場人物が少ないのでやりやすい
- 扇子と手ぬぐいを使う所作がある
ということで、落語の基本を学んだり、リズムやテンポを身につけるのに適したネタです。
ただ、笑いは取りにくいですけどね。
ここから先は、稽古会でのネタの出来と師匠からいただいたフィードバックを1回ごと振り返ってみます。
稽古会に参加する前の準備段階については、以下の記事をお読みください。
1回目:ガイダンス
当時の稽古会は、初回からいきなりネタをやるのではなく、ガイダンスがありました。
(現在は、稽古会が始まる前にガイダンスがあります)
ガイダンスの内容は、
- 「落語の基本その1 上下(かみしも)」について師匠の解説
- 「落語の基本その2 目線」について師匠の解説
- 自己紹介
です。
自己紹介では、
- 高座名の理由
- 落語に興味を持ったきっかけ
- 落語を始めてみようと思ったきっかけ
などを話しました。
2回目:初めて人前で落語をやる
ガイダンスから2週間後。
初めてやる落語。
めちゃくちゃ緊張したのを覚えています。
緊張している上に、ネタの暗記も不十分な状態でしたので、高座の上で何度もつまりました。
師匠からのフィードバックは以下のとおりでした。
- 「粗茶」の発音(アクセントが違う)
- もう少し言葉を明確に(特にウケさせる部分)
- 道灌の絵は隠居さんの後ろにある(登場人物の目線)
- 手を太ももの付け根におかない
- キャラの演じ分け(年齢、品、言葉づかい、職業)
- 道灌と家来の会話は隠居が芝居調でやる
- 歌を書いた紙の表現には手ぬぐいを使う
- 雨が降ってきたシーンでは手のひらをかざす
- 走る仕草は両腕を横にふる
初回なので、言葉のアクセントや所作など、基本的な指摘が多いですね。
「手を太ももの付け根におかない」なんかは、他の初心者さんにもよく見かけることです。
「キャラの演じ分け」は普段やらないので、最初のころは特に難しかったです。
お芝居をやってる人なんかは、最初から演じ分けできてますね。
師匠からのアドバイスを消化できるように自主練して、次の稽古に挑みます。
3回目:まだ恥ずかしさが消えない
前回から2週間後。
ネタの暗記は進みましたが、まだ人前でやることに慣れてない状態での稽古でした。
師匠からのフィードバックは以下のとおり。
- 声をもう少し張って、大きな声で
- はっつぁん:もっと威勢よく、職人、学問がない、おっちょこちょい、お調子者
- 隠居:物知り、はっつぁんに優しく教え諭す
- 「山吹の枝」と言わず「山吹の花」のほうがいい
- 平伏はこぶしを膝のやや前に、相撲の仕切りのような手の形
- 感情、喜怒哀楽を強く表現(感心、真似がしたくてたまらない様子)
- 家にかけこむとき雨を払う
このうち、
- 大きな声でやる
- キャラクターの演じ分け
- キャラクターの感情表現
は、どのネタをやるにも意識すべき、大切なことですね。
私も未だに師匠から注意されてます。
言葉については、参考にした音源よりも、師匠からの指摘を優先して直してます。
4回目:欠席
師匠からの稽古メモが無かったので、欠席したようです。
残業で間に合わなかったか、自主練が進まなくてサボったか・・・。
稽古会の回数は限られているので、1回も無駄にはできません。
5回目:何度も同じことを指摘される
前回の稽古を欠席したため、約1か月ぶりの稽古会でした。
その間、自主練はもちろんやっていましたが・・・。
師匠からのフィードバックです。
- もっと声量を大きく
- 表情をもっとつけて、感情の動きを表す
- はっつぁんが絵を見るとき、指さしながら少し覗き込むように
- はっつぁんがややソフトすぎる
- 「おはずかしゅうございます」は隠居がしずのめを演じる
- ギャグの部分は急がず、はっきり発音
- 紙に書くとき、セリフを止めない
- 筆(扇子)はもう少し上を持つ
- 「あっしが」→独り言では「俺が」
- 「お恥ずかしい~」は、もっとゆっくり手を出す、首を使いながら
まだまだ全体の完成度は低いですね。
相変わらず、
- 声の大きさ
- 感情表現
- キャラの演じ分け
を指摘されてます。
師匠からのアドバイスを消化できないまま、稽古会に参加してるということですね。
このレベルの意気込みでは、稽古がもったいないです。
6回目:仕上がらないまま最後の稽古会
自信がないまま、最後の稽古会になってしまいました。
最終回、師匠からのフィードバックは以下のとおり。
- はっつぁん、もっと嬉し気に、隠居をからかうような口調で
- 全体的にもっと表情をつけて
- 女がお盆を出す手つきは両手で左から右へ
- 紙(手ぬぐい)の持ち方、もう少し上に、見えるように
- 終盤、はっつぁんが道灌のマネができるワクワク感、相手が雨具を持ってると知ってガッカリ
何度も同じことを注意されてますね。
成長してない・・・。
はっつぁんや隠居さんなど、キャラを演じることの恥ずかしさを消せないまま、最後の稽古が終わりました。
発表会
発表会は古石場文化センターという、江東区の施設の大広間でやりました。
めちゃくちゃ緊張しましたが、稽古会のときより出来がよかったです。
まあ、ほとんど笑いは起きませんでしたけどね・・・。
お客さんとして友人カップルを呼びましたが、けっこう喜んでくれてたのを覚えてます。
発表会後は近所の居酒屋さんで打ち上げ。
お互いのネタの感想などを語りながら、楽しく過ごしました。
心地いい疲労感と達成感で、気持ちよかったです。
初めてやった落語の感想
仕事をしながらの練習は思ってたよりも大変でした。
- 台本の書き起こし
- 台本の暗記
- キャラクターの演じ分け
- キャラクターの感情表現
- 扇子や手ぬぐいを使った所作
こんなにやることが多いとは、予想してなかったです。
台本づくりも、途中で参考にする音源を変えるなど、試行錯誤な状態でした。
だいぶ苦労してただけに、最後の稽古会のときに師匠から「聞いてて心地いい」と言われたときは、ものすごく嬉しかったです。
稽古期間中はしんどかったですが、発表会が終わると「また新しいネタを覚えたい」という気持ちになっていました。
落語をはじめてよかったことをまとめた記事もあります。
よろしければお読みください。
まとめ
以上、私の1席目の稽古内容を、師匠からのアドバイスも公開しながら振り返ってみました。
落語初心者向けのアドバイスから、未だに注意されてることまでありましたね。
落語教室で10席以上のネタを覚えてきた私から、当時の私へアドバイスするとしたら、
- 普段より大きな声でやろう
- 普段より明るいトーンで声を出そう
- キャラクターの感情表現を豊かにやろう
の3点でしょうか。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。